« 東京タワー | Main | リップスティック »

Jan 11, 2008

初春のお茶をいただきながら。

  Hanabiramoti_4

こんこんと湧くお湯の音は、
松林をかけぬける風の音に喩えられます。

炭にくべた練り香の香りたつころ、
趣向を凝らされた亭主の
心にくい香の演出にすっかり和まされ茶碗に注がれる湯の音、
茶せんの回転が茶に空気を入り混ぜるような
小気味のいいリズムに耳をすまし。

年の瀬に新しく張り替えられた障子紙の凛とした白さは、
冬の弱い陽射しまろやかなな明るさを加え
時折揺れる小枝の影が、
まるで絵のようだなあと見つめていました。

そして初春を寿ぐ甘いはなびらをひとひら手にのせ
味わいます。

うっすら好けそうですけない桜色がかった
やわらかなぎゅうひのお餅は
新年だけの楽しみ♪
ほんのり甘く塩のきいた白味噌餡と
柔らかく煮たごぼうの土の香はなんともいえないハーモニー。

まだ北風が冷たいというのに、
春の兆しを予感させてくれるお菓子。

お作法というと堅苦しいイメージの様々な所作や立ち居振舞い。

しかしながらどれも全て、心使いが基本だということを思うと
本当に細やかなところまで表現されていると感じます。

フランクにふるまえる間がらにすっかり慣れて、
それがまたよいと思ってしまっていることにはっと気付かされます。

こんなところにまで・・・と思うほどの心配り。
マニュアル化されたセレモニーの一連の流れの中で
もう一度こまやかに見直すのもいいかもしれないと思いました。

することは難しいのですが、
逆に気遣ってくれている。

大切にされているという感じは
決していやなものではないはずです。

人を大切にする気持ち。
このごろうまく表現できなくなっている人が多いのかもしれません。

小さな小さな空間の中に凝縮された世界、
一輪の花に、
お茶碗の絵の中に、
端整こめて創り上げられたお道具の中に
拡がるほのかな香と炭の香の中に、
静けさの中の音の中に
随所に施された趣向

それらはみな、今日会う人への心使いの表現。

お茶の席は、まるで宝捜しです。

|

« 東京タワー | Main | リップスティック »

日々のこと」カテゴリの記事

Comments

Robinさん♪
松も明けましたが、おめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
  
寿ぎのお菓子ですね。
イラスト、素敵でとても美味しそうです。
ごぼうの密煮&みそあん、求肥つくり、形成・・・
抜いた求肥の白に赤を重ねるプロセスが特に楽しいです。
時々、白玉粉に水飴ではなく薄力粉を入れて焼いたり。
焼皮花びら餅も好きです。
 
初釜は、客も亭主も心の高揚を覚えますが
慣れからくる陥穽も戒めてくれますね!
茶に先立って振舞われる馳走に惹かれ出かけます(笑

Posted by: yumi | Jan 12, 2008 at 01:44 PM

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
遅くなりまして。

初春のお茶、キレイな響き。
和菓子もそれだけで芸術。
日本は美しいですね。
うれしい。

Posted by: naomi | Jan 12, 2008 at 10:21 PM

京都の美味しいお茶を頂きましたから、
美味しいお菓子と一緒に頂きたいものです。
薄いピンクは春ですね。
寒いけど、もう春は近づいていますね。

Posted by: takako | Jan 12, 2008 at 10:45 PM

初春に身も心も引き締まる、よいお話でした。
Robinさんの言の葉の一片一片で、語られるその情景に、
まるで自分がおもてなしを受けているような気になりました。
花びら餅も、この季節ならではですね。

今日会う人への心遣い、
毎日お客様を迎えるときに、一番大切なことかも知れません。

Posted by: mana | Jan 13, 2008 at 03:23 PM

☆yumiさん、まだ間に合う!!!という前提で改めて、
おめでとうございます。
今年も是非とも!!!!よろしくお願いします。

はなびらもちを作られるのですね♪
いただく方に感動するばかりで、つくることは思いつきませんでした。
お話を伺って、
ほんのり春色のきれいなお菓子が自分で作れたらと思うと
それでおもてなしきたらと思うと、これは!
・・・・トライしてみたくなります。

Posted by: Robin | Jan 14, 2008 at 12:03 AM

☆naomiさん、
私ぎりぎり、
「あけましておめでとうございます!
何卒本年もよろしくお願い申し上げます!」

「春」という表現は、新年を迎えるの明るいイメージを膨らませてくれるようです。
「初春にお茶をいただく」だけのイベントかもしれませんが、
藝術の中に浸っているようで、奥深いです。

Posted by: Robin | Jan 14, 2008 at 12:21 AM

☆takakoさん、美味しいお茶には、当然美味しいお菓子にこだわりたいです。
きれいなお菓子を探すのも楽しいですし、
和菓子って本当に季節感がいっぱいで、
楽しいです。

あ、この日も宇治のお茶だったのでした。

Posted by: Robin | Jan 14, 2008 at 12:26 AM

☆manaさん、恥ずかしいながらです。ありがとうござます。

用意された気持ちのよい空間で充実したひとときを過ごしました。そして帰り道、それだけの準備をしてくださった労を思うと
とってもありがたいなと思えたのでした。

一期一会。
こんな機会を重ねながら、
私もこの言葉の深さを理解していくでしょうね。

Posted by: Robin | Jan 14, 2008 at 12:43 AM

Robin さんの言葉が絵のように綴られていて、とても素敵。
スーッとその空間の中へと入ってゆけそうな感じでした。

初釜はまだ寒い時季ながらもなんとなく「春」を
感じさせてくれますよね。
昔は足が痺れて「お茶」は苦手だったのですが、
機会があれば、またあの雰囲気を味わいたいと思うこの頃です。

Posted by: kayko | Jan 16, 2008 at 10:17 PM

☆kaykoさん、(;´▽`A`` お伝えできたかと思うと、何よりの言葉です。
私は昔のほうが正座は平気でした。
重くなったのか。。。お行儀悪くなったといえば、
姿勢について、かなり自由度が増してしまっている昨今を
この時ばかりは猛反省せずにいられません。

Posted by: Robin | Jan 17, 2008 at 07:44 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 東京タワー | Main | リップスティック »